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2007年09月19日 (水) | 編集 |
北国が一気に秋になりました。朝晩肌寒いです。夜が明けるごとに緑がひとはけひとはけ薄くなっていくのが分かります。

で,秋といえば学会シーズンですね。おいらも今日から学会巡業の旅に出ます。
まずは今日の日心のWSでしょうかね。
まあ,どれに出るかは丸分かりかと思うんですが,そこでテーマになっていることを,出る前に少し,まとめてみようと思います。
あくまでも,自分のために。
今年のテーマったら,ペットを亡くした飼い主の悲嘆―いわゆる「ペットロス」です。

この「ペットロス」という言葉,まあおそらくWSの企画者・安藤先生のお考えもあってのことだと思うのですが,表面には出されておりません。
そしてそれは大変に素敵なことだとおいらは思う。
何故かといいますと,「ペットロス」という言葉には,そりゃあもうきったねー手垢がべっとりついちゃってるからなんですね。
そのいい例であるwikiを参照してみましょうか。

ペットロス症候群( - しょうこうぐん)とは、ペットとの死別を契機に発生する疾患ないし心身の症状のこと。

概要

ペットロスは文字通り「ペットを失う事」である。ペットを失うと、様々な心身(精神的・身体的)の症状が起こる。これは、一般に10年前後ないしそれ以上の間をそのペットと共に過ごす事によって培われた愛着・愛情が、突然に訪れるペットの「死」によって行き場を無くしてしまうことによって、引き起こされる症状だと解されている。もちろん、引き起こされる症状の程度については個人差が大きい。

ペットロス症候群とは、ペットとの死別というストレスが契機となって発症した精神疾患(症候群≒病気≒疾患)をいい、精神症状に付随して身体症状を伴う場合も少なくない。

最近、このような精神的・身体的障害が起こる原因として、飼い主のペットを伴侶動物としての位置づけが挙げられている。

日本では2000年代頃から注目を集めるようになったが、ペット産業の盛んな米国では1990年代頃より精神疾患の契機として重要視されるようになった。


いや~,ツッコミどころ満載ですね。まるで某所の荒らしのよう。
まずねー,ペットロス「症候群」なんてありません。
こんなことをちゃらっと言い出したり,こんな軽はずみな言葉((c)うちの御大)を平気で使ってしまうような医療者や専門家は間違いなく似非かアフォか,専門家を装ったド素人のどれかであると断言いたしましょう。

ペットの喪失を契機とした疾患・症状をペットロス症候群なんていういんちきな言葉で言い表すなら,家族の喪失を契機に起こる疾患・症状もパートナーロス症候群とか言えってんだよ。

さらに,ペットを亡くしたあるいは無くしたからって,皆がみんな同じ症状を呈するわけでもありません。
んなものは亡くす側の死生観や置かれた環境やペットとの関係性によってころころ変わります。
もっと言えば,「ペットロス」は経験あるいは体験であって,「病気」や「症状」や「状態」ではありません。
したがって,
「わたし,今ペットロスなんだー」
という表現は大きな間違いです。
ペットを亡くした時に不調を訴えないからといって情が薄い人だというわけでもありません。

とにかくね,この「ペットロス」という言葉が「“ペットロス”というモノ」として盛大に一人歩きしてくれちゃったおかげで,「ペットロス」がひとつの病であるかのように受け取られてしまったというのは,大変に悔しいし腹立たしい。
本来のペットロスってのは,「飼育動物を喪失するということ」として語りおろされるべきものなはずなんですけどね。

このような状況が進化した原因のひとつは,主にアメリカにおけるペットロスの医療化だと思います。
あっちの獣医院にはペットの喪失を契機とした飼い主の疾患のために,ソーシャルワーカーが配置されてるとこもあるんですよね。
そりゃ確かに便利なんだけどさ,喪失体験の過程やそこからの回復過程ってのはそこまで画一化&一般化できるもんじゃないと思うんですよね。

繰り返しますが,ペット亡くした時に抑うつ症にならなかったからって,別に異常ってわけじゃないんですよ。
しかしペットの喪失体験が“ペットロス”という「もの」として医療化されていくと,その辺が窮屈になるんじゃないかと思うのです。
実際もう窮屈になりかけてるしな。
それもきわめて気味&気色の悪い方向に。

なーのーで,極端に「もの」に傾きすぎた「ペットロス」をあらためて「ペットを喪うということ」に揺り戻したいな,というのがおいらの今の野望なんざんす。

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コメント
この記事へのコメント
お久しぶりです。

確かに,何かを喪失し,それがきっかけで抑うつ状態になったり
身体症状が現れたりすることはよくあることで,ペットの喪失も
そのうちのひとつにすぎませんね。

ペットの存在が大きくなったことの表れなんでしょうが,
何でもかんでも病名をつけても・・・ということなのでしょうか。
2007/09/21(Fri) 18:44 | URL  | ぴえーる #WO.8kER.[ 編集]
>ぴえーるさん
おしさしぶしです。

>何でもかんでも病名をつけても・・・ということなのでしょうか。

そうなのです。
何でもかんでも病名つけて医療化してどうするつもりかと。
そもそもペットの喪失を体験してほんちゃんの鬱になる人が数としてどの程度いるのかと。
喪失体験という個人差の激しいものを捕まえて症候群,とひとくくりにするというのは大変に頭の悪いことだよな,と思うのです。
2007/09/28(Fri) 14:10 | URL  | ぽちこ #grcoP6NM[ 編集]
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