2009年05月01日 (金) | 編集 |
本当はこの内容は,記念企画エントリにコメントを寄せてくださった方への個人的返信で触れようと思っていたのですが,ちょっと思うところがいろいろ出てきたのでエントリという形にしました。
ついでにカムアウトしちゃうと,お返事の内容,まだ練れてません;すみません>某さん

おいら,臨床屋のはしくれになってこの方,一日だって
「ああおいらって心理職が天職(はぁと」
とか思ったことありません。
確かに臨床は苦しいけど楽しい。
やりがいもある。
子どもやママさんたちがいい顔をして帰ってくれるのは,本当に本当に本当にうれしいものです。
でも天職だとは思わないですね。
むしろ月1ないしは週1ペースで<おいら臨床向いてないんじゃね会議@脳内>が開催されてる始末ですよ,ええ。

しかしこの手の悩みはおいら一人に特別に降って湧いたものではないようで。
周囲の対人援助職の方々とよく話すのは,果たして自分はこの職業に向いてるのか向いていないのか?ということだったりするのですよね。

そのテーマで話す内容ったらだいたい決まってて,

「なんであそこでもっとうまく動けなかったのか」
「もう少し要領よく指導できたはずではないのか」

という反省の弁から始まり,

「○○さんだったら同じ場面でももっと上手に関われたんじゃないだろうか」
「うまく動けなかった自分はこの仕事に向いてないんだろうか」

と不安に駆られ,そのうち業界に対して厭世的になって

「下心なく子どもと関わることができない立場ってのは,何か不自由よね」
「療育とか指導とかそんなん関係なく,のんびりまったり子どもと関わりたいんだけど,でももうこんな知識ついちゃ無理だよね,どうしたって気になっちゃうもん(´・ω・`)」

という流れがパターン化されつつある。
まあね,タラレバ話が何も生み出さないことは皆重々承知しているわけですが,でも反省は尽きない。
しかしこの反省って,実はとても大事なんじゃないかと思うのです。
なぜなら,まず一つ目に,反省は自己研鑽の種となるからです。
あそこでああすりゃよかったな,というのは単なる「後悔」でしょう。
そこから,動けるようになるためにどうすればいいか,という具体性を帯びて初めて,「後悔」は「反省」に変わるんだと思います。
だから,「反省」しないと研鑽はできません。

二つ目に,反省は仕事への謙虚さの表れだからです。
対人援助職の仕事とは何か。
それはとりもなおさず相手の「人生」と関わることだと言いきっていいと思います。
他の職に比べて,相手の人生に深く関わってしまう可能性が非常に高い職であることを,そしてそれがどんなに危険で鼻もちならない営みであるかということを,対人援助職は常に意識しておくべきでしょう。
そして自分たちは,人さまの人生の困難を飯の種にしているのだということをも,肝に銘じておかなくてはならないと思います。
関わる相手の人生・生活・命に対する畏怖と謙虚さを持ち合わせない援助職は,最低です。
これは対人援助職一般に言えることではないでしょうか。
心理臨床に限らず,教師,介護職,保育職,とにかく人を援助する仕事についてる人は,すべて。

そして残念ながら,上記二つの視点の欠けた対人援助職に限って腕が悪く,その癖,ちゃらっとひゃらっと
「この仕事って,あたしの天職だと思うんですぅ」
とか言ってしまえる頭の悪さを露呈することがとても多いように思います。

これが自分の天職だなんて思ってる人は反省しないですし(だって天職ですからね),反省しないということは研鑽もしないですし,人の悩みを飯の種にしてるなんてことには思いが至らない,
「ばんばんみんなのお悩み解決してるあたし,サイコー☆ミャハッ」
というぱーぷりんな自己愛ちゃんばっかでしょ。
自分の自己愛満たすために他人の人生を利用するタイプ。
今まで一人二人見てきましたけど,思い出すだに気分が悪い。

あ,でも,たまにいますよ,腕がよくって反省と研鑽の螺旋の行き来も軽やかで,その行き来のもどかしさやしんどさも含めて,仕事に面白さややりがいを感じているがために,これが“天職”だ,と自分で言いきれて,はたから見ててもそうなんだなあと思えるひと。
わたしの周りだと,教師に多いな。
これはもしかして,教師という職が持つ歴史性が物を言っているかもしれないな,と最近思ってるんですが,それについてはまた今度。

とにかくね,何が言いたかったかというと,

援助職が自分の天職だと言っているやつに腕のいい奴ぁいねーよ

ということだったんでした。
どっとはらい。

口が悪くてすみません→人気ブログランキング
スポンサーサイト
テーマ:臨床
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック