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2009年11月18日 (水) | 編集 |
さて、関東での公開はほぼ終わってしまいましたが、本日はやっと南極料理人レビューです。
まず、堺雅人相変わらずカコイイってのはまあ分かり切ってることなのでおいといて。

寒すぎてウィルスもいない、氷点下54度の南極の高地で、男ばっか8人で共同生活1年ちょっと。
聞いただけでもいろんな意味で寒いシチュエーションですが、まあ下手すりゃ檻のない監獄ですわね。
ゆるくない(北国方言:きついとかしんどいとか)にもほどがある。
んだけど、出てくる人たちはみなゆるーく生きている。ように見える。
それはたぶん、料理がメインだからでしょう。

雪氷学者や気象学者、車両整備のためだけに自動車メーカーから派遣されてきたエンジニア、通信担当そして料理のために海保から派遣されてきた主人公・西村などなど、バックボーンも南極にかけるモチベーションもばらばらの8人が、逃げ出すこともできない環境下で有無を言わさず共同生活を送らなきゃならんというのは、どう考えてもしんどいと思う。
しかしそれを直接的に表すような事件は何もおきません。

あるのは食卓周りの悲喜こもごも。
「同じ釜の飯を食った仲間」というのはいい得て妙で、どんだけもめててもいさかいがあっても、コンビニなんてもちろんない、湯水さえ協力しないと得られないような環境ならば、周囲と同じご飯食べなきゃ生きていけない。
南極行きがたび重なって、家族との間に深刻な溝ができても、14,000kmという超遠距離恋愛に破れても、食事だけはやってくる。

この作品は、料理をモチーフに、ゆるくない現実をゆるく生きるさまをうまく描けていると思います。
音楽が阿部義晴担当というのをエンドロールで観ましたが、なるほどね。
ユニコーンの音楽も、しんどい状況をゆるく歌ってるのが多いよね。
大迷惑とかさ。ヒゲとボインとかさ。

閑話休題。

そんで、作品中の料理がやたらとおいしそうなんだこれが。
おにぎりと豚汁に、ラーメンと、それと伊勢海老の海老フライが食べたくなります。
だもんでこれ買っちゃいました。

ごはんにしよう。―映画「南極料理人」のレシピごはんにしよう。―映画「南極料理人」のレシピ
(2009/07/25)
飯島 奈美榑谷 孝子

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季節感のある正しい家庭料理のオンパレードです。

西村は職業料理人ではありますが、美食のための料理人ではないのですよね。なんたって海保の料理番だから。
限られた食材のなかで越冬隊員を飽きさせないようやりくりしながら作るという、どこまでも実用的な料理のための料理人。
彼の作る料理は、プロの仕事ではあるけど、家庭料理にとても近いのじゃなかろうか。

だからこそ、豊かな食卓というのは豊かな食材がなければ演出できないというわけではなく、そこに人の手がかかっているということが大切なんよね、ということがシンプルに分かりやすい。
まあ、伊勢海老の海老フライはやりすぎですがw(でも気持ちは分かる。気分が海老フライになっちゃうと、もうあとに戻れないよね)。

そして、いくら人の手がかかっていても、料理ってあって当たり前、おいしくて当然だと思われすぎて、料理とその作り手へのありがたみが失われやすいということの残念さ(この映画の中で事件らしい事件はそこに端を発するわけですが、それは作品を見ていただくとして)。
とはいえ、料理だけに限らず、何かに対してのありがたみっちゅうのは、誰かがありがたがれ、と言ったから湧くものではないのもまた残念なところなのですが。

そして、料理といえばジェンダーと切り離せない気がするのよな。
最後の朝のシーン、登場人物それぞれが、ファミリードラマ的な家族のポジションを割り当てられたようなやり取りも面白かったけど、そのなかでやっぱりというか、西村はお母さんポジションなんですよね。男性なんだけど。

で、料理とジェンダーと言ったらよしながふみの「きのう何食べた?」を出したいわけですが、ちょっと長くなったので続きます。

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テーマ:研究者の生活
ジャンル:学問・文化・芸術
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